昨年に続き、ドジャースが栄冠を手にしました。多くのファンが「優勝したら賞金って出るんだよね?」と疑問を抱えているのではないでしょうか。実は、その仕組みは “直接〇〇万円”と支払われるものではない のです。
本記事では、優勝時に選手・チームに支払われる賞金(=ポストシーズン・ボーナスプール)の仕組みから、金額の目安、そして「そもそもなんのために戦っているのか」という本質まで丁寧に解説します。
優勝チームに“賞金”はあるのか?
結論から言うと、はい、優勝チームには賞金に相当するものがありますが、一般的なイメージの「優勝して〇〇万円もらえる!」とは少し異なります。
具体的には、メジャーリーグベースボール(Major League Baseball=MLB)では、ポストシーズン(プレーオフ)でのチケット収入等から作られた“プレーオフ賞金プール”(ボーナスプール)が存在し、これを参加チームで分配します。
この仕組みにより、優勝チーム=プールの最大シェアを獲得します。過去実例として、2024年はドジャースが優勝し、プール全体約1億2910万ドルが生成され、優勝チームの「フルシェア所持選手」は1人あたり約47万ドル(=約7000万円程度)を受け取っていました。
つまり「賞金なし」はありえない一方で、「家族に一億円プレゼント!」というタイプの個人賞金支給ではないことを理解しておきましょう。
賞金のカラクリ:どうやって決まる?
ここでは、どういうプロセスで「賞金プール → 各チーム配分 → 各選手シェア」に至るかを整理します。
🔧 賞金プールの作り方
– ワイルドカードやディビジョンシリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズの各試合での観客収入(チケット収入)がベース。
– 具体的には:
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ワイルドカード:チケット収入の 50% をプールに。
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ディビジョンシリーズおよびリーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズ:チケット収入の 60% が対象。
📊 チームごとの分配比率
プールが形成された後、勝ち進んだチームごとに配分率が定められています。例:
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ワールドシリーズ優勝チーム:プールの 36%
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ワールドシリーズ準優勝チーム:プールの 24%
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リーグ優勝決定シリーズ(LCS)敗退チーム:各12%ずつ(2チーム)
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ディビジョンシリーズ敗退チーム:各3.25%程度(4チーム)
🧮 各選手への分配
チームが受け取った賞金相当額を、チーム内で「フルシェア」「パーシャルシェア」「現金賞与」などの形で分けます。誰にどれだけシェアを出すかは、チームの選手投票で決まります。
このため、同じ優勝チームでも「1人あたりの受け取り額」は毎年・チームごと・シェア数ごとに大きく変わるのが特徴です。
過去データから見る“どれくらい?”の目安
具体的にどのぐらいの金額になるのか、近年の実例から見てみましょう。
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2024年:プール総額 約1億2,910万ドル(約198億7000万円)で、優勝チーム(ドジャース)がその36%を獲得。約4650万ドル(約71億5000万円)をチーム内で分配。1人あたりの「フルシェア」は約47万ドル(約7000万円)でした。
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2025年:正確な確定値はまだ発表されていないものの、ドジャースのホーム球場が大規模かつポストシーズン進出が長かったことから、「1人あたり約45万〜55万ドル(約7000万円〜8000万円超)になる可能性あり」と報じられています。
💡 ポイントまとめ
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優勝チームの選手は数千万円単位のボーナスを期待できる。
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ただし「選手全員が同額」「固定額」というわけではない。
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受け取り額は「プール総額」「チーム内のシェア数」「ホーム球場の集客」「進出ラウンド数」などで変動。
なぜ“賞金だけ”じゃないのか?本当の目的とは
「じゃあ選手は賞金目的で戦ってるの?」と思う方もいるかもしれませんが、実際にはそれだけではありません。以下、重要な観点を整理します。
✅ 名誉・歴史に刻まれる栄冠
優勝=世界一という称号は選手人生の中でも最高の栄誉です。トロフィーや優勝リング、そして記録に残ることこそが大きなモチベーションです。
✅ チーム文化・ブランドの強化
優勝によって球団ブランドが向上し、それが長期的な観客動員・スポンサー収入・補強力へと繋がります。
✅ 個人契約・次の契約交渉への影響
優勝実績は選手の「勝利をもたらす力」という証明にもなり、次の契約での交渉材料になります。
✅ 賞金制度の限界
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プールの原資は主にチケット収入であり、オーナー収入(放映権・スポンサー等)は基本的にプール対象外となっています。
結果的に、選手たちは “賞金+名誉+ブランド価値” を総合的に考えて戦っていると言えるでしょう。
まとめ:賞金と名誉、両輪で見るべき理由
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優勝することで “賞金相当”の分配 は確実にあります。
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ただし金額は変動し、「優勝したら〇〇万円もらえる!」という単純な構図ではありません。
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それ以上に、勝利がもたらす 栄誉・歴史・ブランド価値 が大きな動機です。
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ファンとして知っておきたいのは、「賞金だけが目的ではない」という選手・球団の裏側にある構造です。
