メジャーリーグ(MLB)といえば「アメリカのプロ野球リーグ」というイメージが強いですよね。
ところが、トロント・ブルージェイズというチームは本拠地がカナダにありながら、アメリカのMLBに参加しています。
「なぜカナダのチームがアメリカのリーグに?」と不思議に思う人も多いはず。
今回は、ブルージェイズがなぜMLBに参入できたのかを、歴史や仕組み、背景などからわかりやすく解説します。
ブルージェイズとは?カナダ唯一のMLBチーム
トロント・ブルージェイズは、1977年に創設されたカナダのプロ野球チームです。
本拠地はオンタリオ州トロントにある「ロジャース・センター(旧スカイドーム)」で、チームカラーは鮮やかなブルー。
1992年と1993年にはワールドシリーズ連覇を達成し、アメリカ勢に劣らない実力を示しました。
現在では、カナダで唯一のMLBチームとして、北米全体に多くのファンを持っています。
そもそもMLBは「アメリカだけのリーグ」ではない
「メジャーリーグ=アメリカのリーグ」と思われがちですが、正確には北米(アメリカ+カナダ)を対象としたプロ野球リーグです。
MLBを運営しているのはアメリカ合衆国の組織ですが、加盟条件に「アメリカ国内であること」という規定はありません。
そのため、地理的・経済的に密接な関係にあるカナダのチームも参加可能なのです。
カナダチームが参加できた背景
ブルージェイズがMLBに参入できたのには、いくつかの歴史的・経済的な理由があります。
1. 地理的・経済的な一体性
アメリカとカナダは国境を接しており、経済・文化・スポーツの面で非常に密接なつながりがあります。
両国間の移動も容易で、観客動員やテレビ放映、スポンサー契約などのビジネス面でも共通基盤が作りやすいのです。
2. カナダでも野球文化が根付いていた
カナダといえばアイスホッケーの印象が強いですが、実は19世紀から野球が盛んな国です。
アマチュアやマイナーリーグも多く、プロチームを支えるだけの人気と環境が整っていました。
3. MLBのビジネス拡大戦略
MLB側にも、アメリカ国外へと市場を広げたいという狙いがありました。
その第一歩として1969年に「モントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)」が加盟。
そして1977年にブルージェイズが加わり、北米全体をカバーするリーグ構想が形になったのです。
北米リーグとしてのMLBの位置づけ
MLBは単なるアメリカのリーグではなく、「北米プロ野球リーグ」という国境を越えた存在です。
このため、カナダのチームも他の29球団と同じルール・同じスケジュールで試合を行い、完全に平等な立場で競い合っています。
また、カナダのファンにとっても、ブルージェイズは国を代表する存在であり、ワールドシリーズ制覇の際には全国的なお祭りムードに包まれました。
まとめ:ブルージェイズは「北米リーグ」だからこそ存在できる
ブルージェイズがカナダに本拠地を置きながらMLBに参加できている理由をまとめると、以下の通りです。
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MLBは北米全体を対象としたリーグである
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地理的・経済的な一体性があり運営がスムーズ
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カナダにも野球文化が定着していた
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MLBの国際的ビジネス拡大戦略の一環
つまり、ブルージェイズは「アメリカのリーグに外国チームが特例で参加している」のではなく、
最初から“北米のリーグ”としてのMLBの一員なのです。
これからもブルージェイズは、カナダ唯一のMLBチームとして、アメリカ勢と肩を並べながら北米の野球ファンを熱くさせ続けるでしょう。
